到着するころには太陽もだいぶ傾いていた。 久しぶりに行ったそこは、ちょっとした小高い丘。 ここに、琴海が眠っている。 「・・・琴海、悠里と一緒に来たぞ」 俺は一つの墓の前で屈みこんだ。 悠里は俺の一歩後ろで立ったまま。 「悠里、花」 「え、あ、うん」 悠里に花のことは任せて、俺は線香に火をつけた。 「悠里、線香」 「うん」 悠里にも線香を渡し、順番に線香を立てた。