「今だって十分若いけどさ」
・・・今の言葉でさっき思ったことはなかったことにしよう。
その後も黙々と箱を片付けていき、やっと半分くらい整理できたのは四時をまわる頃だった。
「・・・父さん」
「なんだー」
俺がとりあえず最後の箱を縛っているとき、悠里が不意に俺の名前を呼んだ。
それまでお互い自分の荷物を整理するのに必死だったから、まともな会話はなかった。
「あのさ・・・」
「・・・?」
なかなか言い出さない悠里。
俺は縛り終えた箱を壁に立てかけて、改めて悠里に向き直った。
「どうしたんだよ。どっか箱で怪我でもしたか?」


