悠里が箱の中から何か発見したらしく、俺にそれを見せてくれた。 それは俺と琴海の写真。 「・・・それ、ちょっと前にどこかで見たような」 新築の前で笑顔で写っている俺と琴海。 しばらくその写真に出会ってはいなかったはずなのに。 どこかでこの写真を見せられたような気もする。 「これ、母さんと父さんが結婚してすぐに撮ったやつ?」 「そうだよ。若いだろ?」 「そりゃそうでしょ」 何だかその言い方に少しイラッとしてしまう。