俺はとことんバカだった。 遠いところに置いて行ってしまった罪だ。 「俺、嫌だ!あの学校で、あの仲間でじゃないとバスケなんかしたくない!」 確かに、その気持ちは俺だってわかる。 でも、もう一度あの場所に悠里を置いて行くのも・・・。 「・・・引っ越すか」 「え・・・」 ハンドルを握る手に力を入れた。 そうだ。 それなら、俺は悠里とも離れないし、悠里も仲間と離れなくてすむじゃないか。 ・・・家ならまた探せばいい。 家なんかより、家族の方が大事だ。