「父さん」 「なんだよ」 「俺、高校でもバスケして、県大会で優勝するよ」 「っ・・・」 自然と聞こえてきたその声に、とっさに出てくる言葉が浮かばず言葉を詰まらせてしまった。 チラと悠里を見れば、その目はバスケットボールを見つめていた。 さっきまで撫でられていたボールは、すごく輝いて見えた。 「あ、でも」 「なに?」 俺は重要なことを言い忘れていることに気が付いた。