まぁ、確かに今のこの体じゃ全然できないとは思うけど。 「昔はちゃんとできたよ。母さんもかっこいいって言ってくれたしな」 「・・・でも、もしかして」 「ん?」 信号が赤に変わった。 ブレーキを踏んでスピードを落として、止まった。 「県大会で優勝はできなかった?」 「なっ」 思わず悠里の方を見た俺は、口をパクパクさせる。 だって、そんなこと、誰が? 「俺、夢で母さんに言われたんだ」 「・・・はい?」