その後、施設長さんと話をして、悠里をうちへ連れて帰ることを話した。
「悠里くん、ここに来て最初のころは何もしゃべらなかったんです」
「え?」
「泣きもしない。話さない。寝るのもみんなが寝付いてしばらく経ってから。食事もおにぎりを一つ食べるか食べないか」
「・・・そんな」
「でも、小学校に連れて行ったとき、お友達ができたんです。小金井ときみくんって言うんですけどね」
あぁ、さっきのトキくんか。
「彼は私が小学校に悠里くんを連れて行ったとき、すぐに走って来てくれて。遊ぼうよって」
「彼なら言いそうですね」


