知ってる。 琴海は、最高の母親だよ。 俺の最高の妻だから。 「・・・これから頑張りたい」 「これからこれから!エンジンかかるのはちょっと遅かったけど、幸哉だよね、それが」 「悪口?」 「まさか」 いたずらに笑う琴海は、八年前となんら変わりない笑顔のままだった。 俺は・・・この笑顔をもう一度見たかった。 「琴海・・・」 「ん?」 「俺もね、ずっと言いたかったんだ」 「え?」