「でも、俺は・・・あいつを捨てたんだ。本当に待ってるのか・・・な」 「待ってるよ。ずっと、この八年間待ち続けてるよ」 「・・・こんな最低な父親でも?」 「うん。大丈夫」 ―――私達の息子だから。 「・・・ははっ、何を根拠に」 「いいの!」 そう言いながらも、その直後「あ、でももう八年経つから中学生かな」と呟く。 俺が悠里と離れて八年。 あのとき悠里は六歳だった。