俺があのとき手放さなければ、今でも温かかったのだろうか。 いや、あの時すでに少しずつ冷たくなっていたんだから。 「・・・琴海」 俺は冷たくなってしまった琴海をそっと抱きしめた。 ・・・やっぱり、俺が最後に触れる琴海は冷たかった―――。 記憶の中にある琴海の体。 今、俺の中にある琴海の体。 どちらも同じ冷たさだった。 「・・・ごめんな、琴海・・っ」 ―――それからは本当に大変だった。