「温かいな」



「当たり前でしょ?」


当たり前―――。



そうなんだけど、俺にとっては現実に戻ればそうじゃない。


もう二度とこんなにも温かい琴海には・・・触れられない。




「幸哉?」



温かな琴海の手が俺の頬にそっと触れる。




俺は肩を震わせて・・・涙を流した。



「何で泣くの?」



「いや・・・」


「やっぱり今日は」



「嬉しい、んだ」