「そうい、えば・・・」 この日、俺の三十歳の誕生日って・・・。 俺は風呂から上がってパジャマを着る。 髪をタオルでワシャワシャと拭きながらリビングへ行けば、ソファーで寝ている琴海の姿。 テレビが付いたままでよく見れば琴海の好きだったドラマの最中だった。 寝落ちしたらしい。 「琴海」 「ん・・・」 コソコソと揺らせば眠そうな目で俺を見て「んー」とまた目を閉じる。 その勢いで普通は起きてくれるはずなんだけど。 「風呂行けよ?」 「んー・・・」