「どうしちゃったのぉっ・・幸哉ぁ・・怖いよっ」 ギュッと俺に抱きついて泣く琴海の背中を撫でる。 ごめんごめん、と繰り返しながら。 ここはここなんだ。 なら、ここでの話についていけばいい。 他のことは考えないで、今までのことはまたあとで考えて、今は今を見よう。 「琴海・・・」 「うぅ・・・っ」 「・・・子供だな」 「ばかぁ!」 三十歳の俺の誕生日。