そっと琴海を放して顔を覗けば、そこにはなぜか目に涙を浮かべている琴海がいた。 「えっ、琴海?」 「・・・なんで、そんなこと、言うの?」 「え・・・」 「どうして?ヒクッ・・・これが、夢だったらっ・・夢の方がいい、の?」 「あ、や、そうじゃなくて」 とんだ失態を犯してしまった。 あんなこと言うべきじゃなかったんだ。 あまりに軽率すぎた。 琴海は“ここにいる琴海”で、俺が“ここにいる俺”じゃないだけなんだから。 「ごめん、琴海・・・」