目だけは相変わらず俺を捉えていて、でも声はなぜか聞きとり辛い小さな声。
俺が少し耳を傾けた瞬間、更に琴海の顔が明るくなった。
「ホントに!?」
「え、ん?」
「よかったぁ!」
コトッと椅子に座って自分もニクジャガの大根を摘まむ。
そして口の中に放り込んでモグモグと口を動かせば、直後に自然と「おいひぃ」という言葉が漏れていた。
「味見はしたんだろ?そりゃおいしいに決まってるだろ」
「うん。でも完成はしてなかったんだよ?」
「完成してない?」
ちゃんとニクジャガで味もよくて、なのに未完成?
「だって」


