さすがに、世の中うまく事が進むわけないか。 ならどうしたものか、とまた考えようとしたとき琴海が俺が繋いでいる手を軽く引っ張った。 「ん?」 「いつもなら、やだってそう言うけど、今回は特別に許してあげる・・・」 神様は俺に味方してくれたらしい。 ありがとう、ごめんな、の代わりに繋いでいる手に力を込めると琴海もギュッと握り返してくれた。 「・・・可愛い」 ボソッと呟いた俺の言葉はどうやら隣にも聞こえたらしく、返事として「・・・バカ」と最後の"バカ”が聞こえてきた。