バカを認めるしかないだろうこの状況、というか、もうバカでも何でもよくなってきたわけで。
「琴海、俺はそろそろちゃんと手を繋いで、残りの文化祭を楽しみたいんだけど?」
「なっ・・・そんなこと言っても、私は今怒ってるの」
そう言いつつも、明らかにさっきより勢いがない。
その上、ほんのりほっぺたも赤く染まってきているときた。
これがわかってたから、少し卑怯かもしれないと思いながらも言ってしまった。
「そっか。でも手は放さないし、とにかく歩く。時間がもったいないし、既に文化祭もあと30分くらいしかないし」
「怒ってるのに!」
「ウソだろ?」


