『しっかり生きてくださいね~』 「あんたに言われたくないから!」 「あぁ、すみません!」 涙目の琴海を出口にいた包帯男から離し頭を下げた。 俺が繋いでいる琴海の手を引いて歩けば、その腕をビシバシと叩きながら歩く琴海。 かなり本気でたたいているらしく、何度も同じところを叩かれるとジンジンと響く。 「悪かったって!」 「バカ!バカバカ!もうバカ!!」 廊下を歩きながらバカしか言われないし、どこからか「何?夫婦喧嘩?」とかばかげた言葉が聞こえてくるしで、俺の精神がかなりイカレてきた。