「行くぞ」 せっかくの文化祭がもったいない、と付け加えて俺は琴海の手を握った。 今度は全然反抗はせず、繋がれた手を優しく握り返してくれた。 口に出しては言わないけど、結局はこうしたかったんだろう。 それなのに。 俺の考えは少しばかりずれていた。 「どこ行きたい?」 「・・・・・・」 「終わりごろだし人も減ったな」 「・・・・・・」