「放してよ!」 「嫌だ」 「文化祭回りに行くのよ!」 「一人で?俺を置いて?」 「そう!」 俺の腕の中でも相変わらず強情だ。 だから苛めたくなくても苛めてしまう。 「わかった。じゃぁ行ってこいよ」 「・・・行くから放してよ」 若干の間と、声のトーンの変化。本当は俺を置いて、一人でなんか行きたくないくせに。 言ってる言葉は俺を突き放していても、琴海自信はもうすでに離れようとしてない。 “アマノジャク”ってやつですか。