「何よ」 「手、繋ぐだろ?」 今度は俺が手を差し出した。 数メートル前にいる琴海は何かぶつぶつ言いながらも、こっちに戻ってくる。 「何だかんだ言っても、ちゃんと来てくれるんだな」 「じゃぁもう手なんか繋がない!」 さらに拗ねて踵を返してまた歩いていこうとする。 これだから苛めるのが楽しい。 「・・・きゃっ」 目の前のご立腹な琴海の腕を掴んで俺の方へ引っ張った。