「文化祭も残り時間少ないし、歩きながら話す?」 「あぁ、あとどれくらいだっけ」 「あと一時間ちょっと」 もうそんな時間しか残ってないのか。 本来ならもっと琴海と一緒にいる時間が長かったはずなのに。 本来の俺のプランなら。 楽しんでやろうって気持ちでいっぱいだったから。 「幸哉?」 琴海が俺の目の前に手を出していたことに気付かずに、ボーッとしていた。