その言葉が体育館に響けば、大半、いやほぼ全員と言っていい数の女子たちの目が俺に向いた。 俺の背中がゾワッとしたのは言うまでもなく。 ・・・思いっきり悪寒が走った。 『一位は!』 こういうとき、テレビとかだったら心臓が脈を打つ音とか鳴ってるんだろうな。 スローペースで、画面もコマ割で。 今、俺の頭の中はただ一つ、俺ではないようにと願っているばかり。 『―――近藤幸哉!』 結局、賭けの結果は恍のものか。