こんなにもたくさんの目の中から、お前を見つけた。 どこにいるとか、そんなの全然知らなかったのに。 照明だってだいぶ暗くて見えづらい中で、俺の目には琴海が写っていた。 体育館の入り口付近。 俺から一番遠い場所にいる琴海を。 「琴海・・・」 その声はしっかりとマイクが捉えていて、瞬く間に女子たちが騒ぎ始めた。 どうしてだろうか。 こういうときって、恥ずかしくてこのまま走って逃げるくらいのことだと思うんだけど。 でも、俺はスッと右手を前に伸ばした。