「今度の日曜日、愛莉の両親にあいさつしに行く約束があっただろ?」

「うん、それで?」

私の送別会は忘れてたのに、それは覚えてるんだ。

「その日、急用が入っちゃって…また今度にしてくれるように、愛莉の方から言ってくれないかな?」

そう言った浩治に、私はムカついた。

「あー、わかった。

そう言っておくよ」

早く話を終わらせたくて、私は言った。

「ホント?

助かるよー」

浩治はホッとしたと言うように返してきた。

「じゃあ、また電話するから」

「わかった、じゃ」

話が終わったことを確認すると、電話を切った。