理想の男~Magic of Love~

「一夜だけの夢で、終わるつもりだった」

呟くように、藤が言った。

「神様が俺にくれたプレゼント――そうやって、この恋に終止符を打とうと思ってた」

藤は私の肩に両手を置いて、
「――藤?」

私を見つめてきた。

「愛莉が俺に恋をするずっと前から、俺は愛莉に恋をしていた。

愛莉のことを思ってた」

黒いビー玉のような瞳に映っているのは他でもない、私だ。

「愛莉が結婚するから、俺は幸せを願おうと思ってた」

藤の顔が近づいてきた。

「――ッ…」

唇が、重なった。