理想の男~Magic of Love~

でも今は、声を気にしている場合じゃない。

今は、自分の気持ちを伝えることに専念する。

自分の気持ちを伝えなきゃ、もう2度と藤に会えないと思うからだ。

だから、今伝えなきゃ。

「この前はあんなこと言っちゃったけど…私、藤が好きなの。

藤に恋してるの。

好きだから知りたいの。

名前以外、何もかも全て知りたいの」

言い終わったのと同時に、私は腕の中にいた。

「――藤?」

私を抱きしめている腕が強い。

離さないと言うように。

どこへも行かせないと言うように。