理想の男~Magic of Love~

そう言った私に、藤が目を見開いた。

けど、
「だったら、なおさら帰れ」

藤は私に背中を見せた。

「ま、待って!」

藤の背中を追うと、彼は店を出て行ったところだった。

「ありがとうございましたー」

店員の声を背中で聞きながら藤を追って外へ出ると、空はオレンジ色になっていた。

藤の背中に追いつくと手を伸ばして、彼の腕をつかんで振り向かせた。

藤と目があったその瞬間、
「――藤が好きなの…!」

私は自分の気持ちを言った。

「婚約者なんか、もういないようなものなの…」

続けて言ったその声は、震えていてかっこ悪い。