理想の男~Magic of Love~

言っているその意味がわからなかった。

藤は悲しそうな顔をして、
「婚約者の元へ、帰らなきゃいけないんだろ?」

つけくわえるように言った。

どうして悲しそうな顔をしているの?

その顔に向かって、私は言いたくなった。

私と離れるのがつらいから?

「――か、帰らない…」

藤の言葉に、私は首を横に振った。

それに対し、藤が不思議そうに首を傾げる。

「帰りたくないの」

そう言った私に、
「…無理するなよ」

藤が返した。

「無理なんかじゃない」

ガタンと、私も椅子から立ちあがった。

「藤のことを、知りたいの」