理想の男~Magic of Love~

ヤだな、何よこれ。

私と藤の間を、重い沈黙が包み込んでいる。

何から言った方がいいの?

そもそも、私の方から言った方がいいのかな?

そう思って、
「――蘭さんって、男だったんですね」

私の口から出てきた言葉は、これだった。

そう言った私に藤は息を吐いて、
「男の格好してなきゃ、あいつは完全に女だよ。

名前だって、あいつの母親が女の子が欲しかったからって言う理由で“蘭”って名づけたんだ」
と、言った。

「弟さん、なんですか?」

私の質問に藤は、
「戸籍上ではな」
と、ため息混じりに答えた。

「――戸籍…?」

戸籍って、どう言う意味なんだ?

血が繋がっている、の間違いじゃないの?

そう思っている私に答えるように、
「蘭とは、腹違いの兄弟なんだ」

藤が呟くように言った。