理想の男~Magic of Love~

近づいてくる藤の目はあまりにもキレイで、私はそれについ見とれてしまっていた。

その時、
「――ッ…」

唇に、温かい感触が触れた。

――えっ…?

触れた感触に、私は戸惑った。

何で?

どうして?

全くと言っていいほど、訳がわからない。

それは、まるでシールをはがすようにゆっくりと私の唇を離れた。

藤は自虐的に笑って、
「――しょっぱいな…」

キレイな指先で自分の唇をなでると、呟くように言った。

「――ふ、じ…?」

彼の名前を呼んだ私の声は、震えていた。

藤の行動が、よくわからない。

何で?

どうして?

今のは何なの?