理想の男~Magic of Love~

私はただ、当たり前の意見を言っただけなのに…。

藤は首を横に振って、
「――蘭は、違うんだよ!」
と、言った。

「どう違うって言うの?」

それに対して、私は聞き返した。

「蘭さんは、藤とつきあってるんでしょ?

藤は終わったって言ったけど、本当はまだ続いてるんでしょ?」

藤に言い返す時間を与えないと言うように、私は言い続けた。

言っている私は、恐ろしいくらいに冷静だ。

なのに、ズキズキと胸が痛い。

どうして?

何で?

胸の痛みに戸惑っている私に、
「――どうしたらわかってくれるんだよ…」

藤は頭が痛いと言うように、手で額を押さえた。