「見送り、来てくれるよね……?」 初めて美里の顔に不安の色が浮かんで、訊ねるその瞳が一瞬揺らいだ。 本当は、見送りにいけるほど心は立ち直っていないし、こんな風に逢って美里の輝く未来の話を訊く余裕なんて少しもない。 だけど僕は、美里を好きだからこう言うしかない。 「……うん」 少しの躊躇いだけで返事をする僕は、やっぱり美里を好きだから。