「久しぶりだね」 「うん、そうだね」 あの、作業した日から2週間くらいたった。 「あのさ……聞きたいことがあってさ」 私に聞きたいこと? 答えられるかな。 頭はあまりいい方ではないんだけど 「その、あの明るい茶髪のやつと 付き合ってるの?」 明るい茶髪 それが印象になる人なんてこの学校には一人しかいない。 私の隣の席の彼だ……。 「付き合ってないよ」 そういう関係ではないけれど、少し意識して答えてしまう。 携帯からはみ出たストラップがゆらりと揺れた。