その表情は嬉しそうであるけれど、さみしそうでもあった。 彼を見つめると、遠くを見て話しだした。 「俺さ、よくあんの。こういう事。 中学でもしょっちゅーだったし やってもねぇ罪きせられて休学とかあったし 慣れてるから別にいいって思ってたんだけどよ 嬉しいもんだな……、 誰かがやってないって言ってくれんのは」 彼は猫を撫でながらそう言ったけれど、その表情はやっぱり寂しげだった。 「私は……何回でも言うよ! やってないって、悪い人じゃないって 分かってるもん!」