そーっと手を伸ばして優しく触れていると、 最初はただ座っているだけだった猫も 私にお腹を見せるようになった。 「うわぁ、可愛いっ。よし、よし」 そうはしゃぎながら撫でていると、 突然 私の髪の毛がふわりと揺れる。 「毛並み……いいな」 そう呟く彼の言葉で私の髪を撫でていると気付いた時 私はどきりと胸が弾んだ。 「ちょっ、何してんのよ」 私が抗議の声をあげながら、慌てて振り返ると 彼はしまった、という顔をして私の髪から手を離した。