涙がこみ上げる。 それを隠すようにぎゅっと康太に抱きついて実感する 暖かい温もり。 「すき……っ、すき、だいすき 康太のこと……だいすきなのっ……」 泣きじゃくりながら、ずっとずっと言いたかった言葉を 何度も何度も口にした。 嘘ついた。 大好きな人に別れを告げた。 それはとても辛くて、思い出したくないものだった。 その恋を、もう2度と思い出したくないと思えば 脳は私を庇って思い出すことはない。