それから、どうやって店を出たかは覚えていない。
菜知の母親と離れた時の様子もハッキリしないし、
どこに向かって歩いているのかも分からなかった。
何だよこれ。
なんか、全然分かんねぇよ。
病気って……、
お前そんな素振り見せて無かったじゃねぇか。
ずっと俺の前で笑っててさ、辛そうな素振り、一瞬も見せて無かったじゃねぇか
辛かったろ?
なのに、なんで……あんなに笑ってたんだよ。
一人で抱え込んでさ、苦しかったろ?
なのに……どうして何も言わなかったんだよ。
あんなにずっと一緒にいたのに、
お前のこと大好きだったのに
なんで……俺、
気付いてやれなかったんだよ。


