「本当に……っ、 ひどいこと言って申し訳ないんだけれど、っ」 途絶え途絶えの言葉を繋いで ハンカチで涙を拭き、悲しみを堪えようとしている。 それから俺の顔をしっかりと見て言った。 「あの子があなたの事忘れたいって思っているなら そうしてあげてほしいの。」 それは…… 菜知には会わないでほしいと言うことを意味する。 「ごめんなさい……っ、」 そうやって何度も謝る母親が、 母というものをほとんど知らない俺にも母らしく見えて 何も言い出せなかった。