彼の好きな所は数えきれないほどある。
それを今、伝えたらきっとすごい時間がかかってしまうから
私は彼に全部の気持ちをこめて言った。
「大好き……っ」
何回だって伝えたい、その言葉。
だけど、私には時間がないから
1回の言葉でたくさん伝わってくれるようにと彼を見る。
「俺も……大好きだよ」
私の名前を呼んで、彼はキスをした。
自分から、"好き"の感情が溢れちゃえばいいと思った。
そしたら、普段恥ずかしくて言えない気持ちも
全部伝わるのに。
キスした後に彼が時計を見て言った。
「そろそろ、閉園だな。
最後の一個何乗る?」


