彼は私のために頑張って働いてくれた。
「ほら、大人になっても
行きたいってお前が思ってるかは分かんねぇだろ?」
そう言って彼は私の手を引いて中に入った。
本当、カッコよすぎだよ……。
中に入ると、少し暗くて高級そうな雰囲気が出ている。
こんな所、滅多に入らない私は少し緊張していた。
ウエイトレスさんに案内された予約席に座り、
彼が言う。
「コース頼んだから」
その様子を見て、とても大人っぽく見えた。
結婚したら、絶対いいお父さんになるよね
でもそんな事本人の前で言ってあげないけど。
そんな事を考えているうちに最初の料理が運ばれてきた。


