「田中がさ、また久しぶりに会ったら
髪が伸びてて、みんな似合わないから今すぐ切ってこいって言ってんの」
田中くん、相変わらずイジられキャラだなぁ。
「卒業してそういうの見れなくなるのは寂しいなぁ……」
そう英ちゃんがつぶやくと、
「あ、そうだ!
実は報告があるんだけど……」
と続けて言った。
「なになに?」
「あのね、志望校に合格したんだ」
淡々とそう言う英ちゃん。
本当はそれは嬉しいこと。
明るく、はしゃぎながら言う言葉
それなのに……
英ちゃんははしゃぎもせず、ただ普通にそれを言った。
私が病気とかで無ければみんなで一緒に喜べたのに
また、気を使わせてしまった。


