「ホントに……もう帰らなきゃだから」 そう言って引きはがそうとするけれど、彼の力が強すぎて離れない。 「家くるよね?」 そう言われ手を強く引っ張られると恐怖が私を襲った。 「嫌だ!やめて!」 必死に抵抗する私を見て 「デートするってそういう事だから」 と言い放った。 こんなんだったら行かなきゃよかった。 きっと彼の事、無視したりしたからこうなったんだ。 恐怖で泣きそうになった時、 「おい、やめろよ」 低い声が私の耳に届いた。