-晴紀side-
「じゃあ、次は僕、ね?」
あぁ、なんでこうなんだろう
僕は女嫌いだ
克服しなきゃとは思っても体は正直で
女を前にするとどうしても警戒してしまう
全てはあの女のせい
この子を使えば克服できるかもしれない
利用するってひどいと思う…
でも、克服しなければならないんだ
「んと…僕、成見 晴紀。よ、よろしくね?」
あぁ、やっぱりダメだ
この子にもきっとバレてるよ
何を聞かれるんだろう
雷龍の幹部達には全部話した
でも、女に話すのは気が引ける
俺は女はみんなあの女ような一面を少なからず持っていると思ってるんだ
妃芽ちゃんごめんね?
これを話したら君も侮辱することになる
「晴紀…か。名前通りの男だ」
え?
女嫌いについては聞かないの?
「なーに間抜けズラしてんだよ!
晴紀が話したくなったら話せばいい
あたしを信用したら話せばいい
あたしを利用すればいい」
「…っ!」
この子には全部わかってたんだ…
僕が利用しようとしてることも
何もかもお見通しなんだ…


