この時、俺はこの子を守んなきゃって思ってて
無意識に涙は止まってた
「ばぁちゃん!しっかりしてよ!」
そして、ばぁちゃんを呼びかけ始めた
俺が、俺がばぁちゃんを助けなきゃ
この子を守らなきゃ
その思いだけが俺を動かしていたんだ
「幸輝兄ぃ!…ハァ…AED…もって…ハァ…来た!」
そこへ雨輝兄ちゃんがやって来て…
処置は流れるように進んだ
気がついたら、俺は病院の手術室の前にいた
ばぁちゃんはまだ、中で手術を受けているようだった
涙はでなくなったものの、やっぱり、怖くて…
ばぁちゃんがいなくなっちゃうのが…
独りぼっちになるのが…
怖かった


