「ナイフだけで殺すつもりだったのに、お前のせいで予定が狂ったよ」
そう、ニヤッと笑う奴
やっぱり…このカンは当たってしまうんだな…
奴が手にしたのは…拳銃だった
これでは本当に桜嵐が殺されてしまう…
俺のせいで桜嵐が死んでしまう…
だめだ、そんなのぜってぇだめだ!
俺が、俺が桜嵐を守らなきゃ…
でも、震えが止まらず、その場から足が全く動かなかった…
こんな時でも俺は、自分の身を守るのか?
人の命を犠牲にして俺は自分の命を助けるのか?
本当に俺は弱い、無力な男だ
頭では桜嵐を助けたいって思っても体はその意志に反して動かない
そんな時今まで黙ってた桜嵐が口を開いた
「やっぱりな〜…ナイフ持ってるから持ってるとは思ってたけどこんな早く出すとは…予想外だぜ…!」
桜嵐は死ぬのが怖くないのか?
俺なんかのために命を捨てられるのか?


