そう言った俺に桜嵐は微笑んだんだ


俺は驚くしかなかった…


今、自分が殺されそうになった相手になんで微笑みかけられるのか理解ができなかった




「大丈夫だ、お前は人を殺せない」




でも、殺せなかったら俺は…




「それだけお前は優しい心を持っている



なら、お前はあそこにいるべきではない」



まさか…この人は



俺が黒神の奴ってわかってて…



「あそこは、お前の居場所ではない


もっと別に居場所がある」



「な、んで…」




どうしてこの人はこんな俺のためにこんなに優しくしてくれるのか…



俺は恐怖から一気に解放された気がした



「いいか、よく覚えておけ


人を殺すということはそれだけ自分が傷つくことなんだ、簡単にできることではない


一生その罪を背負って生きていかなければならなくなるんだ


そんなことをしたらお前の優しさ、温もりを未来で求めて待っている人が傷つくんだぞ?



それだけ命は大切なんだ


いらない命なんてない




お前なら痛いくらいにそれがわかってるんじゃないか?」