それに「大和田君」って呼べるようになった! うぅー私にしてはすごい進歩っ!
それに大和田君からも藤永って呼ばれるようになった!すっごいすっごい嬉しい

そんなるんるん気分で部活に行こうとしたら、
「バキッ!」
部室からいやーな音が聞こえた…恐る恐る美術室に行くと美術の授業で使う木の棒が真っ二つに折れていた。そこには大和田君と岸野くん…
(あの2人がやったんだな…)
すぐにわかった。だって岸野君が思いっきり木の棒を振った格好をしていたから
大和田君は少し大きめの消しゴムを持っていて…
(野球して遊んでたのかな… これって鍵を開けっ放しにしてた美術部のせい?それとも大和田君と岸野君の責任?)
岸野君のことだから絶対美術部の責任にするだろうな…
「やばやばっ!どーすんだよ岸野ぉ折ったのお前だろー」
「ちげーし!大和田だろ?」
(飽きれたやっぱりこんな話になると思った…)
以外と私のせいにはしなかった。てか話がでてこなかった。
その調子で2人の話を聞いていたら、
「藤永ーお前今日は部活あんのかー?」
うおっ!大和田君が私の名前呼んでくれたぁー…っていうより早くかえさなきゃ
「んー今日はないやー…部長もいるかわかんないし顧問の先生も部活ある日もこないからさぁ」
「ウッソ!どーしよ…あいてたら藤永に教えてもらってボンド借りよーと思ったのにぃー」
(えっ?こっちこそウッソ… 教えてあげたかったな)
教えてあげたいっていう思いだけで行動に移した私、バカだぁ…
誰かを好きになるってこんなに自分を動かすものなんだ。何か感動…
「待ってて!今鍵とってくるから!」
私は猛スピードで階段を駆け下り職員室へと向かった。大和田君の困ってる姿をじっとして見てるわけにはいかない。
勝手にそう思い込んでしまって体が動く
鍵を借りに行ったときに先生とすれ違って
「大丈夫?そんな息上げて…」
正直そんな質問に答えている暇なんてない。
「大丈夫ですぅ」