バタンッ――――


屋上の重いドアを
2人で開ける。



こんなふうにここを
あけるのも
今日で最後なんだよね。


今日みたいに放課後屋上で
学校が閉まるまで語ったり
2人して授業をサボって
ここで一緒に昼寝したり
ここには思い出が
いっぱいだよ。


涙が出そうになる・・・。



そこからは他愛もない話を
2人でしていっぱい笑った。


別れるって
伝えなきゃいけないことを
忘れてしまいそうになる。




「ゆき〜〜♪」

「ん?」


――チュッ


「ふふふww隙あり♪」


なんにも知らない竜介は
無邪気に笑う。


私も笑って見せるけど
たぶん今の私は
うまく笑えてないと思う。



「ゆき・・・??」


心配そうな竜介の顔が
私の顔を覗きこむ。


私の様子がおかしいと
すぐ心配してくれて
話を聞こうとしてくれる。


好きだなぁ・・・
竜介。