美樹「………………」
翔「………美樹?」
美樹「………聞かれたかった? 過去…何があったの?って」
翔は、首を横に振った。
美樹「でしょ? 誰にでも聞かれたくないことや、言いたくないことはある」
みんな、あたしの言葉を真剣に聞いてる。
美樹「あたしは、みんながどんな風に生きてきたかはしらない。 でも……」
誰、一人として笑う人がいない。
美樹「聞かれたくないことは見てれば分かる。
あたしは、誰かの過去を無理矢理聞きたいなんて、思ってない」
美樹「…でも、相手が心を開いて、話してくれるのは別。 いくらでも聞く。 分かった?」
……あたしもみんなに知られたくない過去がある。
だから、本当は聞かないんじゃなくて、聞けないだけかもしれない……。
…沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは、翔だった。
翔「…美樹、ありがと」
美樹「どういたしまして」
翔「………俺、美樹になら過去…話せる気がする」
翔以外「え?」
晃「どうした? 翔…」
翔「何か、美樹になら話しても大丈夫な気がする。 ……美樹、俺の過去、聞いてくれるか?」
美樹「さっきも言ったでしょ? 相手が心を開いて話してくれるなら、聞くって!」
翔「ありがと…」
そう言い、翔は俯きながら話し出した。

